人間ドックはなぜ必要?
人間ドックはなぜ必要か?
現在、日本人の死亡疾患の約7割ががん・心臓病・脳卒中などの3大生活習慣病で占められています。これらの病気の特徴は自覚症状の現れるのが遅く、しかも初期には病気特有の症状が少ないので、人間ドックを受けて発見されない限り、その診断や処置が後手後手に回りがちです。人間ドックの必要性の第1歩は、自覚症状の無いときからの早期発見です。
最近の進歩した医療技術によって、初期段階での発見や診断ができるようになって来ました。例えば、人間ドックで発見される胃がんや大腸がんの7割近くは治る早期がんです。そして、発見されたがんの多くは、ほとんど自覚症状を訴えていません。人間ドックを訪れる多くの人たちは、自分が病気だと思って受診する人はいませんから、もし発見されたとしても軽症である人が大部分です。ですから、早めの治療を実施することができ、進行もとめることができます。
糖尿病の合併症である失明や腎障害などは、発病から10年近くかかります。初期の段階で発見し、その後の管理を適切に行えば、十分これらの合併症は防ぐことができます。また、高血圧・動脈硬化・糖尿病・痛風などの多くの生活習慣病は、身体の多くの臓器が互いに関連しあって異常を引き起こしているので、全身の重要な臓器については一通りチェックする必要があります。それを担うのが人間ドックの大きな役割といえます。
しかも、人間ドックでの病気の発見は、がんにとどまらず、高血圧などの循環器疾患、糖尿病・痛風などの代謝異常疾患、そのほかのいろいろな病気をも対象にしており、これらの疾患を初期段階で発見して対処するということが有効であるということは学問的にも明らかにされています。
ただし、がん健診の有用性については、がんの種類により、また研究的な立場により、その評価によっては問題もありますが、胃がんや子宮がんの健診は観察的方法ながら、これらの病気による死亡の減少に寄与していることは事実です。
しかし、人間ドックを受診しない人もいます。その主な理由は、大きく自信過剰と健診心配性の二つに分けられます。自信過剰な人は「自分は病気らしい兆候を示す自覚症状など何もない」あるいは、「自分だけはそんな病気にかかるはずがない」などと考えているらしいです。しかし、症状が明白でないのが生活習慣病の初期の特徴ですので、自覚症状が現れてからは手遅れになる可能性があります。
また、健診心配性である人は「人間ドックを受診して病気が発見されたらどうしよう」などと、見つかってもいない病気を恐れて受診しないものですが、それは事故が怖くて飛行機に乗れないのと同じで、現代の文明の利器といえる医学を利用できていない人です。