病気の発見だけが目的ではない
人間ドックの目的は病気の発見だけではない
1999年12月、厚生労働省は成人病という言い方をやめ、生活習慣病という考えい方に大きく方向変換して、生活習慣病の一時予防に取り組むことを決定しました。わが国の予防医学が大きく変わった年といえます。
人間ドックの受診者で、実際に治療の対症となる人はわずかに過ぎません。多くの人は健康か、あるいは異常があっても治療対象にならない場合が大半です。もし仮に、胃がんが見つかったとしてもそれはまだ早期発見のがんですから、治るがんであり不幸中の幸いであるわけです。しかし、人間ドックの目的は、これらの死につながるような病気の発見だけが目的ではありません。人間ドックにはもうひとつ、大きな役割があります。
人間ドックのもうひとつの大きな役割とは、受診者が病気にならないように予防し、健康な生活を送るためのアドバイスを行うことです。人間ドックで発見される病気のほとんどは、生活習慣病です。その生活習慣病の発症は、受診者一人ひとりのライフスタイルのゆがみによって起こります。たとえば、高血圧と塩分、肺がんとタバコ、糖尿病と肥満などそれぞれの生活習慣病にはそれぞれの日常生活の習慣の偏りがあるわけです。
人間ドックは、生活習慣のゆがみの有無を調べて、生活習慣病の予防のためにそのゆがんだ生活習慣を是正するチャンスを作るという重要な役割を担っています。なので、人間ドックでは検診後の生活指導が重要視され、ダイエット方法や運動療法などの情報の提供も行い、予防に力を入れています。