肺がん
肺がん
【肺の働きと肺がんの特徴】
肺は空気をたくさん取り入れることのできるスポンジのような柔らかい臓器で、胸郭という鳥かごのような肋骨が作るスペースに囲まれています。深呼吸をすると肺が広がり、空気は気道を通って気管支末端のブドウの房のような肺胞に達します。
肺胞はスポンジの気泡に相当するところで、ここで空気中の酸素が血液の中に取り込まれて、血液の二酸化炭素が肺胞内に排泄されます。
空気の通路である気管と気管支は、つぶれないように軟骨で覆われています。また、気管と気管支の内壁の粘膜は絨毛と呼ばれる細い毛で覆われていて、呼吸とともに入ってきたりした異物を喀痰(たん)として対外に排出する作用があります。
肺がんは1993年からそれまで一位であった胃がんを抜いて男性のがん死亡率のトップに踊り出ました。女性でも胃がんに次いで2位になっています。喫煙が肺がん発生の大きな要因といわれていますが、大気汚染など環境からの影響も大きいといわれています。初期症状にに乏しく、最初は咳、血痰などがありますが、がんが比較的大きくなるまで症状が出ないことも多いといわれています。
最近、話題なっている肺がんのひとつに「中皮腫」と呼ばれているものがあります。環境要因のアスベスト(石綿)が、発生に大きく関与されているといわれ、アスベストを使用する工場で働いていた人々や、その工場があった地域の住民までもが数十年たってから、このがんを発症しています。
【肺がんの検診方法は?】
①胸部レントゲン検査とCT
胸部レントゲン検査は、以前から肺がんの発見に用いられてきました。検査が簡単で、多人数に実施でき、読影にもさほど時間はかからないため、最初のスクリーニングに使用されています。しかし、肋骨や脊椎と重なる部分が死角となって、その部分に仮にがんがあっても写らないという欠点があります。
これに対して、胴体の横断面のレントゲン写真が得られるCT検査では、肺全体を網羅して検査することができます。最近はCTの性能も向上して、スパイラルCTやマルチスライスCTなど数ミリの異常な陰影も捉えることができるようになり、がんの早期発見に有効です。
見つかった陰影が良性が悪性かは、多くの場合CT画像で判断ができますが、サイズが小さいと区別がしにくい場合があります。そのときには組織を採取して、病理検査を行い良性か悪性かの診断を行います。
②気管支鏡検査で診断
CT検査と喀痰細胞芯で確定診断できない場合には、「気管支鏡検査」が行われます。これは、口または鼻から細いファイバースコープを入れて、肺の中の気管を直接観察するものです。
また、肺の組織の一部を直接採取して顕微鏡で診断する方法もあります。
③PETも有効
肺がんは、PETが最も利用されている腫瘍のひとつです。肺に見られる陰影の良悪性の判別において、PETはCTよりも優れていますが、すべての肺がんにおいて良悪性を判別できるかというと限界もあります。まず、PETではミリ単位のがんは検出できないので、CTでミリ単位の陰影が見つかった場合にはPETの適応外です。なお、肺がんの治療を開始する前に、がん病巣の広がりやリンパ節転移の診断胃はペットは大変優れた効果をもたらします。
【症状と経過】
末梢型がんは特に症状は出ません。肺門型は早期の頃はほとんどありませんが、最も高頻度の症状はせき、痰、特に血痰です。そのた、胸痛、背部痛、息切れ、発熱、食欲不振、体重減少などがあります。
肺がんは、いまだ治療法が未確立で、発見されても手術できる人はその3分の1、しかも治すのが難しいがんといわれています。
【関連する検査】
・胸部X線検査
・肺CT検査
・MRI検査
・PET
・喀痰検査
・気管支内視鏡
・腫瘍マーカー(SCC、シフラなど)